モノづくりニッポンを
支える、広がる
元ソニーの技術者たち
ソニーが日本の電化製品の代名詞だった時代は長い。今も中国などで「SONY」をもじった偽ブランド商品が造られているほど、そのブランド力は圧倒的だ。おしゃれでかっこよくて、最先端の技術で……といったイメージが今も残っているのだろう。
かつて映像の美しさを追求したトリニトロンでブラウン管テレビを席巻し、ウオークマンで音楽を持ち歩くという新ライフスタイルを提案し、CDの規格を作ったソニー。
だが最近は金融業に手を広げ、旧来の音響・映像メーカーのイメージは薄れた。ことにこの10年ほどは、リストラや役職定年の導入などで、優秀な技術者が大量に退職。ソニーのモノづくりはどこへ行くのかと、ソニーの製品に恋したファンたちは心配したはずだ。
だが、ソニーの魂は朽ちていなかった。
ソニーを離れた技術者たちはそれぞれに、起業したり、転職したりした先で、古巣で培った発想力と技術力をエンジンに、新しい価値を生み出し続けている。ソニー出身者たちが新しくどんなビジネスをしようとしているのか。彼ら・彼女らの「ソニー卒業後」を追いかける。
第1回 「社外のほうが重宝された」レゾネスト
第2回 「デザインで社会に貢献」アローグラフ